後発医薬品

なんかたぬー日記でたわむれにお題出されてたので、ちょっとマジレスしますよ
まぁ普通にお堅く書いてもいいんですが、それだとうちらしくないのでできるだけ噛み砕いて。


まずはこの後発医薬品ジェネリック医薬品って言葉なら聞いたことある人も多いかと。
最近よく黒柳徹子さんがCMでいってますのう。
もっとも、あのCMじゃジェネリック医薬品ってことがあるってことはわかっても、
それが何なのかまで理解できてるひとはほとんどいないんじゃないでしょうk(ry
CMだと内容にはほとんど触れてないs(ry


というわけで、まずはこの説明から。
普通薬といえば、製薬会社が開発して特許とって売り出されてるものが多いですね。
んで、こういう薬の場合、特許の関係で他社が売るには特許料払わなきゃならんので、
あえてそれをしたとしても割高になるわけで。
もちろん、普通は特許もった会社が独占販売するので、そうなりゃ競争原理が働かないので、
販売価格も割高になるってもんです。
そうした医薬品も、だいたい20年ぐらいたつと特許権がきれるので、
そうなると他の会社も自由に製造販売できることになります。
そうすれば競争原理も働くし、開発から20年もたってるのである程度量産体制も整うので、
価格が一気に引き下げられるわけです。
そうしてできた、量産されて安くなった医薬品が、
後発医薬品(=ジェネリック医薬品)とよばれるものです。


こうして生まれた後発医薬品ですが、一般の現場ではあまり浸透していないというのも確か。
もちろん、患者さんが後発医薬品を望まれた場合は、医師の方もそれを処方しますが。
この浸透していないというのも、実はいろいろと理由があったりします。


まず、一番の問題が薬の信頼度。
最初に開発された薬は、いわばもう20年も現場で使われてきたため、
あるていど薬効や副作用についての経験・知識も定着し、
使う側もそれだけ使いやすいということがあります。
それに対し、後発医薬品の場合、基本的な薬効成分が同じであっても、
それ以外の細かいところはいろいろ違ったりもするのです。これが問題。
もちろん、それもそれぞれの種類の薬によってだいぶ違うんですけどね。


たとえば、実際に先生がおっしゃってたことでいうと、水に溶かして使う薬の場合、
後発医薬品の中では水に溶かしにくかったりダマになったりと、
使いづらかったケースも多かったりするらしいです。
また製造工程での薬1つ1つの誤差が大きいために、
品質が一定でなかったりすることもあるらしいです。
もちろん、後発医薬品のなかでも普通に品質のいい薬もたくさんあるわけですが、
中にそういったものが紛れ込んでいるために、使う側も慎重になっているというわけで。
医師としては、まず一番に考えるのは患者さんの健康ですから、
それなら品質が保障されてる先発医薬品を使いたがるというのも理解できる気がします。
他にも、まず名前(商品名)が今までの薬とは当然違うために、
処方するにしても調べなきゃならないという手間がかかったり。


こういった問題がある後発医薬品ですが、患者さん側からとってみれば、
薬代が安く済むというのは大きな利点です。
そのためにも、たとえば現在だと厚生労働省後発医薬品を処方すると診療報酬が加算されたり、
三者機関が品質をチェックしたりする機構ができているようです。
こういう動きが進んで、品質も一定水準が保たれるということが医療現場にも広まれば、
今後は後発医薬品の使用量は増えていくとおもわれます。